西日の射す森の中
夕方、豊富町自然公園に行って来ました。鳥もカエルも鳴いておらず、静けさに包まれた森の中には枝の隙間から茜色の光が射し込んでいました。
林床では、エゾエンゴサク、オオバナノエンレイソウ、エゾノリュウキンカ、ミズバショウが咲いていました。この日はニリンソウはまだ少し早い感じでした。
いつも白花のエゾエンゴサクが咲いている場所で今年も白花に出会え、いつもエゾサンショウウオが産卵する水の中には今年も卵塊がありました。旧友にあった時のような嬉しい気持ちになりました。
見頃を迎えつつあるエゾヤマザクラの並木の下にはエゾエンゴサクの青い絨毯。ピンクとブルーの組み合わせが見事でした。
20年近く前、ここで一緒に桜を植樹した私の恩人は、先日、100歳で天へと旅立たれました。生前「ここに町民みんながお花見を楽しめる場所を作りたい」と、いつもの穏やかな口調で、しかし力強く話されていたことが忘れられません。
桜の木は今年も立派に咲きました。この先も毎年ここで花を咲かせ、きっとこれからも多くの人々を楽しませてくれると思います。故人のことを思い出しながら1人歩いた夕暮れの桜並木でした。