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5月5日はヒグマに触れよう♪

このことはあまり詳しく話していないので、初耳の方もいらっしゃると思いますが、私は学生時代に道東でヒグマの調査・研究をしていました。テレビでヒグマの話題の時に良く登場する佐藤喜和先生(現・酪農学園大教授)の自称一番弟子で、一応ヒグマをテーマに修士論文を書いて、その研究内容をまとめた本も20代の頃に出しています(専門的過ぎてあまり売れませんでしたが…笑)。

その当時はフィールドに家を借りて、毎日クマさんのいる山に入って、毎日クマの新しい痕跡を見付けて、クマの落とし物(糞や毛)をサンプリングして、大学院の2年間はきっと日本中の誰よりもクマの痕跡を見ていたと思います。

それでも、調査中に山の中で一度もヒグマに会ったことはありません。なぜでしょう?それはヒグマの生態・習性を学び、過去の事故事例をたくさん教訓にして、こちら側も不用意な遭遇を避けながら調査をしていたからです。

野生動物である以上、油断禁物なのはもちろんですが、一方でどこかでクマの目撃や痕跡があったからと言って即危険なわけではなりません。彼らがそこに何をしに来ていたのか、なぜそのような行動を取ったのか、背景を注意深く見極めることが大切です。多くのヒグマは人間を避けながら森の中で謙虚に生きています。過度に恐れたり、不安を感じる必要は無いのです。

アイヌの人々はヒグマのことを本当に良く知っていて、うまく付き合っていました。現代の北海道民はどうでしょうか?正しいヒグマの姿を知り、どうしたら不幸な遭遇事故を避けることができるか、この北の大地の森の隣人と、どうすれば折り合いを付けていけるのか、全道民が小さいうちからもっと学ぶ機会があっても良いと思っています(しっかり学ぶ機会があるのは知床くらいでしょうか)。今回は、身近な場所でそのようなことを知り、考えるきっかけになればと思います。

さて、前置きが長くなりましたが、地元の子育てサークル「サロベツでのびのび育てるママの会」さんからご依頼をいただき、春の豊富町自然公園散策と、知床財団さんからヒグマの教材「ベアトランクキット」を取り寄せて、ミニ・ヒグマ講座を親子向けに開催します。森歩きに出発する前に、なるべくお子様にも分かりやすく楽しくクマの秘密を色々とお話しちゃおうと思います。

クマってサケを食べているイメージだけど、実際は何を食べているの?どんな一年を送っているの?生まれたばかりのクマの赤ちゃんの大きさは?クマに出会わないための方法、もし出会ってしまった時は?クマスプレーの発射練習(トレーニング用スプレー使用)、クマの糞や毛皮に触ろう、などなど盛り沢山です。

プチ講座と言いながら、時間内に収まるのかどうか正直不安ですが、とても楽しみにしています。5月5日はヒグマの日?北大クマ研の調査リーダー資格も持っている自称ヒグマスター★しましまと一緒に自然公園で楽しい1日を過ごしましょう。