夏のサロベツ湿原調査
※もうずいぶん前のことになってしまいますが、たくさん撮った写真の整理ができておらず、投稿が今頃になってしまいました。


今年の8月初旬、サロベツ湿原で5年に1度(最初の頃は3年に1度)の「モニタリング調査サイト1000」の調査が行われ、サポート役で同行させていただきました。


この調査は、2003年にスタートした環境省の長期モニタリング調査で、日本国内の代表的な自然を有する1000か所で自然の変化を今後100年間に渡って把握するというもので、サロベツ湿原も調査地として選ばれています。


本州や道内から湿原植物やコケの専門家チームがやって来られて、そこに加わって一緒に調査をお手伝いさせていただく機会はとても貴重で、本当に勉強になりました。


最初からプロジェクトに関わっている研究者の方によると、過去のデータと照らし合わせることで、これまでの20年間でも連続的に植生が変化してきていることが分かる調査地があるとのことでした。

私は久しぶりに普段は立入禁止になっている湿原の中に入って調査できるので本当に嬉しくて楽しくて幸せでした。


間近に見ることができる可愛らしい植物たち、そして広大な湿原のド真ん中で調査の合間に食べるおにぎりは最高に美味しいです。


湿原の植生変化と気候変動との兼ね合いなどは、さらなる調査の継続と詳細な分析が必要だと思いますが、この先もあと80年、しっかりモニタリングを続けていくこと、そして(調査が終わる頃には、私も含めて今のメンバーは絶対この世にいませんので)、受け取ったバトンを次世代に引き継いでいくことの重みと責任を感じた調査でもありました。


先々の事を考えると、地元住民でも参加可能な簡易なモニタリングや若い世代の人材育成、あるいは遠方の方にも参加してもらえるような仕組みについても考えていかなければと思いました。


次回の調査は2029年。

モニタリング調査の最終は2104年…。


その時も素晴らしいサロベツ湿原であってくれることを願っています。

