観光介助士(中級)の資格を取得しました
昨年の秋・冬にかけて、札幌近郊で開催された観光介助士の資格取得講座に参加してきました。


ヘルスツーリズムの勉強会でも、旅に出ると脳が活性化して元気になるというお話が出てきますが、どうしてもご高齢になると身体に不調が出て、旅行に行くことが難しくなる場面が出て来ると思います。また、視覚や聴覚などに障がいのある方にとってもご旅行は大変です。


さらに、ご本人だけでなく、周りのご家族もご本人に配慮して、皆で旅に出掛けるということが制限されてしまう可能性があります。そこで、どなたでも、障がいがあっても安心してご旅行を楽しんでいただけるようにサポートするのがこの観光介助士です。


講座では、高齢者や障がい者が安全・安心に旅行するためのポイントを学びました。受講者が介助する側とされる側でペアとなり、札幌の街中での車椅子の移動や、アイマスクを着けての観光体験をしました。


道路のちょっとした傾斜や段差、一見するとバリアフリーに見える建物内の移動も結構大変だということを痛感し、目からウロコでした。屋外では車椅子に乗っているだけで体が冷えました。雪が積もるとさらに困難が増す北海道の事情もあります。普段はアウトドアガイドなので、福祉分野とは無縁でしたので、色々な面で自分の無知を思い知りました。


「お客さまは介護を受けに来たわけではありません。観光を楽しみに来られています」。という講師の方の言葉が印象に残っています。こちらで「できる・できない」を判断してしまうのではなく、ご相談したり一緒に挑戦しながら、いかにお客様の希望を叶えて旅を楽しんでいただけるかということが大切だと改めて感じました。視覚障がい者役のペアの相手に美術館に行き、絵画の説明をするのは特に表現力が求められて難しいものでしたが、とても良い経験になりました。



日本は人口の約3人に1人が高齢者という時代に入ります。世界的にも高齢化が進んでいます。ハード面の充実が求められる一方、お客様一人ひとりに寄り添い、ホスピタリティーなどソフト面で対応できることも多いのも事実です。

講師の方がおっしゃっていた「心のバリアフリー」という言葉のとおり、声かけや思いやりを大切に、誰もが安心して楽しめる観光のユニバーサルツーリズムを提供できるよう、できることから少しずつ取り組んでいきたいと思います。

